私たち日本人が使いがちな英語の例をご紹介します。次の@〜Bを英語で言ってください。
@ 私はアパレル関係の仕事をしています。
A そのニュースには驚きました。
B ホテルにATMがあるよ。
@ My work is related to apparel.
これでは、結局私の仕事が何なのかわからない。もっと具体的に「私は何をしているのか」を伝えたい。
→ I sell clothes.
A The news made me surprised.
SVOC構文を組み立てるのは難しく、間違いも起こしやすい。もっとシンプルな文にしたい。
→ The news surprised me.
B There is an ATM in the hotel.
単語数が増えるだけで伝えるべき情報が1つも出てこないため、コミュニケーションが遅くなる。
→ The hotel has an ATM.
というわけでこの本は、学生時代に英検1級を取得しながら、実際の仕事の現場では「英語を使う」ことがまったくできなかったという挫折
体験から、「伝わる英語を書く技法(テクニカルライティング)」との出会いを経て、今では特許翻訳の第一人者となった著者が会得した、
<内容が複雑であればあるほど、それに見合った複雑な英文を組み立てるのではなく、その逆を目指すべき>
という「3語の英語」十か条の極意を、惜しげもなく披露してくれた、英語に悩む人々への贈り物なのである。
まったくの余談ではあるが・・・
近ごろの若い女性たちは「ちゃんと言葉で言ってくれなきゃわかんない」などと、か弱き羊男たちを困らせたりもするようだが、昔の日本の
おじさんたちは「メシ、フロ、ネル」の3語だけで、ちゃんと伝わっていたことを思うと、あの頃の日本の女性の包容力の凄さに改めて脱帽
するのである。 「日本人にありがちな英語」は間違っているわけではありません。しかし、「3語の英語」の発想を持つことで、もっと英語がラクになり、
話すことが楽しくなります。