この本では日本人の間違った英語をおもしろおかしく取り上げているのですが、それは「だから話すのをやめなさい」ということでは
ありません。それだけ完璧な英語を話すのは難しいのだから、「どんどん間違えながら、正しい英語を身につけていきましょう」ということなのです。
言葉を覚えるとき、子どもは間違えながらだんだんと自分のものにしていきます。
「子どもが言葉を間違えて怒る人なんていませんよね?」というわけで・・・
<ありがとうございます。>を、“Thank you very much .”と答えるのは、
(どうもありがとうございましたね!)と皮肉っぽく聞こえるので、“Thanks a lot .”と爽やかにとか、
<今、何時ですか。>を、“What time is it now ?”と尋ねたのでは、
(ところで、今何時なんだ?)とあまりに唐突なので、“Do you have the time ?”とお伺いを立てるようにとか、
(ただし the を忘れると「娼婦」になってしまうので要注意!)
<お名前を教えてください。>を、“What's your name ?”と聞いたのでは、
(あんたの名前は?)と上から目線に響くので、“I'm Masaki,Masaki Tamura . And you're...?”と自分から名乗るのが好印象
・・・などなど、日本人が当たり前だと信じて、普通に使っている「教科書英語」は、実はネイティブも知らないような「死語」だらけなのだ
という話から始まって、
<アイデアが思いつきません。>は、“I have no ideas .”と言わねばならず、
“I have no idea .”と単数形で言うと、(見当もつきません。)という意味になってしまうとか、
<お昼を食べませんか?>は、“Would you like to have lunch ?”と言うのであって、
“Would you like to have a lunch ?”と冠詞を付けてしまうと、(一人分のお弁当を一緒に食べる?)羽目に落ちってしまう
・・・などなど、複数形や冠詞等の日本語にはない、英語の不思議な考え方にいたるまでを、「あなたの英語、こう聞こえます!」と、全然違う意味に
聞こえているらしいネイティブの立場から、懇切丁寧に、そしてそれゆえに面白おかしく教えてくれる、
これは「爆笑!英語コミックエッセイ」の逸品なのである。 日本人は、あと一歩のところまできているのに「なかなか言葉を発しない→だからそれ以上は上達しない」という、負のスパイラルにハマっている
ことが多いと思います。ですから、この漫画を見ることで、肩の力を抜いてほしいのです。