だからといって、
She said that that that that that boy used was wrong.
→ あの少年が使ったあの「that」はまちがっていると、彼女は言った。
などという、頓知クイズのような問題ばかりが取り上げられているわけではない。
(とはいえ、これも「関係詞」を学ぶための立派な例題なのではあるが)
Bobby was so absent-minded he didn`t remember buying a birthday present for Linda.
→ ボビーは忘れっぽかったので、リンダに誕生日のプレゼントを買ったことを覚えていなかった。
という「動名詞」と「不定詞」の違いや、(買うのを忘れたのなら remember to buy となるわけですね)
"Hey, don`t you look sick?"
"I`ve never been better."
→ 「おい、具合が悪そうじゃないか」「絶好調さ」
と「比較級」の否定が「最上級」になるお話、(かつてこれより良かったことは一度もないのです)
Her attendance at the party might have encouraged them.
→ 彼女がもしパーティーに出席していたら、彼らを元気づけたかもしれない。
ああ、憧れの「仮定法過去完了」の問題などなど、(If I were a bird 空も飛べたことだろうに・・・)
英語としてはごく自然にもかかわらず、かなり英語力がある日本人でも誤訳しがちな英文を数多く取り上げ、詳しい解説をつけた、
意外に楽しい読み物なのであるが、
日本の英語教育が“コミュニケーション”を中心としたものにシフトしている中で、
より高い次元の英語を「かぎりなく正確に読む」ことの大切さを訴える著者の主張は、
このところの「早期英語教育」の風潮に疑問を持っている私にとって、とても腑に落ちるものだった。 結局、英語を正しく理解しているか否かを知るには、訳してみる以外に方法はないんです。「英語を英語のまま理解する」とよく言われますよね。
それは最終目標としては正しいんだけれど、少なくとも日本語を母語として育った人間について言えば、
おそらく正しく訳せないものはぜったいに理解できていないと思います。