徒然読書日記200703
サーチ:
すべての商品
和書
洋書
エレクトロニクス
ホーム&キッチン
音楽
DVD
ビデオ
ソフトウェア
TVゲーム
キーワード:
ご紹介した本の詳細を知りたい方は
題名をコピー、ペーストして
を押してください。
もちろん購入もできます。
2007/3/27
「かもめ食堂」(映画の感想)
東京から10時間、日本から最も近いヨーロッパの国、フィンランド。そんな何だか遠くて近い国でひそかに誕生した映画「かもめ食堂」。 フィンランドの首都ヘルシンキは青い空にのんびりとかもめが空を飛び交い、ヨーロッパ各地からの客船が行き交う美しい港町です。 その街角に、日本人女性サチエ(小林聡美)が経営する「かもめ食堂」(ruokala lokki)は小さいながらも健気に開店しました。 そんなかもめ食堂を舞台にそれぞれの登場人物の、丈夫だけれどちょっとやるせない、日常的なようでそうでない、不思議な物語が始まります。
(
Video Audio Project
の紹介文より)
ヘルシンキの繁華街、目抜き通りに建つ「アカデミア書店」2階にある喫茶の、丁度このあたりで、ムーミンを読みながらコーヒーを飲んでいた片桐はいりに、 小林聡美は思い切って声を掛ける。
「ガッチャマンの主題歌を知りませんか?」
意気投合して、思わず歌いだしてしまったこの喫茶は「カフェ・アールト」。 映画の冒頭の舞台となる「アカデミア書店」は、カフェの名前からもわかるように、北欧の巨匠建築家「アルバー・アールト」の珠玉のような作品なのである。
2003年10月に、私は所属するNPO「外断熱推進会議」の視察旅行で北欧に出かけたのだけれど、 ヘルシンキではもっぱら憧れのアールトの作品を見て回ってきた。
私が「カフェ・アールト」で食べたのは「ローストビーフのオープンサンド」。これ以外に、北欧では「いわし」や「トナカイ」にも挑戦した。
国破れて山河あり、「ロシア」春にして草木深し
しかし、北欧料理といえば、なんと言ったって「サーモン」が定番。 日本人観光客が訪れるような「和食」のお店ではなく、地元の人たちが誰でも気軽にはいってこれるようなお店を目指すという「かもめ食堂」の定番は、 だから「しゃけ」(と「おかか」と「うめぼし」)の「おにぎり」なのである。
この美しい町で繰り広げられる、ほっこりとした物語。
『かもめ食堂』を見逃すわけにはいかない。
そんなわけで、私は「WOWWOW」の無料お試し期間に、わざわざカードを作ってまで入会し、上京中の3月24日の放映を録画し、 ついに観ることができたというわけなのだった。(あ、もちろん4月中には退会する予定です。)
2007/3/5
「ザ・ペニンシュラ・クエスチョン」 船橋洋一 朝日新聞社
第二次核危機は、不思議な危機である。
米国をはじめどこも、これは危機ではない、危機ではないのだ、と言いながら、危機を深化させた。
米国の場合、危機を口にすると北朝鮮の瀬戸際外交の術策にはまると警戒した。
韓国の場合、それを口にすると平和繁栄政索が失敗したと批判されることを怖れた。
中国の場合、それを口にすると北朝鮮に対するさらに大きな圧力を求められ、北朝鮮が不安定になることを懸念した。
だが、そうすればそうするほど、北朝鮮は危機を演出しようとした。
「第二次核危機は、失われた機会のオンパレードだった」と著者は言う。
米国は、
ブッシュ政権の「ABC」体質(Anything but Clinton クリントン以外なら何でも)から、クリントン時代の米朝二者協議に対する拒否感が勝り、 六者協議のような前向きのイニシアティブを中国にほとんど丸投げしてしまうことで、
「過去数十年にわたって東アジアで築き上げてきた評判と尊敬−外交でもっとも大切な資産−の大切な部分を失ったのではないか。」
韓国は、
民族感情と希望的観測に突き動かされたノムヒョン政権の「勇み足」から、足元の土台ともいうべき、 周辺関係諸国との「良好な関係」という枠組みをひび割れさせた。
「ザ・ペニンシュラ・クエスチョン(朝鮮半島の課題)を朝鮮民族が中心になって提示し、取り組み、克服していく意思と能力を韓国が十分に身につけたことを、 韓国は周辺・関係国に十分に納得させることができなかった。」
日本は、
「過去の克服」による日朝正常化の流れが、「北朝鮮が拉致を認めた」ことにより「逆流」し、小泉政権の「日本回復」政治の潮流と「合流」することで、 北朝鮮に対する制裁論が勢いを増し、先制攻撃論までが唱えられた。
「戦後(あるいは「戦前の負の遺産」)を継承、克服する動きが戦後(同)を断絶否定する動きを、入亜の動きが脱亜の動きを、図らずも招き入れた。」
そして、北朝鮮は、
「小泉訪朝を実現させ、日朝平壌宣言に署名をし、拉致を認め、謝罪し」という、日朝正常化協議を、辛抱強く進めてきながら、 最後には、ミサイル発射を行って「日朝平壌宣言」を反故にしてしまった。
「歴史はすでに起こってしまい、そして終わってしまった。それが彼らにとってどれほどのトラウマであるか想像するに難くない。 彼らは、歴史にもう一度、追いつかなければならないのだ。それには超兵器で追いつかなければならないのだろう」(クリストファー・ヒル米国務次官補)
先頭へ
前ページに戻る