徒然読書日記200604
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2006/4/6
「街場のアメリカ論」 内田樹 NTT出版
記号学が教えるように、意味は差異のうちに棲まっている。記号とは「それが何であるか」を言うものではなく、 もっぱら「それが何でないか」を言うものである。私達のナショナル・アイデンティティもまたそれと同じように、 私たちが「誰でないか」という記号的な「引き算」によって成立している。
それでは、私たち日本人は、アメリカ人にとって「誰でないか」というと、
日本人はアメリカ人に対して倫理的になることができない。
「これが日本人にかけられた『従者』の呪いである。」と断言する内田樹先生が
何を言ってもアメリカは「歯牙にもかけない」であろうという「弱者ゆえの気楽さ」と
門外漢ゆえに「『アメリカについて語る』ことを語る」ことができるという「素人ゆえの気楽さ」で
アメリカの歴史・文化・政治・社会構造等々を縦横無尽にめった切りするこの本が、面白くないわけがないのである。
2006/4/3
「チーム・バチスタの栄光」 海堂尊 宝島社
東城大学医学部付属病院では、心臓移植の代替手術であるバチスタ手術の専門チーム「チーム・バチスタ」を作り、次々に成功を収めていた。 ところが今、三例続けて術中死が発生している。しかも次は、海外からのゲリラ少年兵士が患者ということもあり、マスコミの注目を集めている。 そこで内部調査の役目を押し付けられたのが、神経内科教室の万年講師で、不定愁訴外来責任者・田口と、厚生労働省の変人役人・白鳥だった……。
2006年度『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。
前半の主役「田口」や、後半の主役「白鳥」は言うまでもなく、その他の脇役も含めて、全ての登場人物の「キャラが立っている」ので、映画化(というよりはテレビドラマ向きか?)を意識して書かれているような本である。 「パッシヴ・フェーズ」と「アクティヴ・フェーズ」で二度にわたって繰り返される「聞き取り調査」の展開部分が、そんな印象を強くしている。(それにしても、サービス精神に満ち溢れた作品である。)
二人の主役の「思わせぶりな」経歴や、周知のことのように語られる過去の「エピソード」などから、ひょっとして「白鳥シリーズ」の続編なの?と勘違いしそうになるが、 これが、「現職の勤務医」というこの作家の「デビュー作」なのである。(最近、こんなのばっかしですけど・・・)
最初っから「連続物」となることを、確信して書いているのはミエミエだけれど、悔しいことに、それが「待ち遠しい」ことも否定できない、正真正銘の「傑作」なのである。
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