- 2002/6/30 「心理療法個人授業」 河合隼雄・南伸坊 新潮社
- 精神分析とカウンセリングと心理療法の区別は何か?ただひたすら、話を聞いてあげるというのが「効く」のはなぜか?
わかってはいても説明しにくいテーマを抱えるその道のプロが、南伸坊という「生徒のプロ」の力を借りて、その真髄に迫るという「個人授業」シリーズのこれは第4弾。
「生物学」「免疫学」「解剖学」いずれも判りやすくて面白い。余談ですが「平然と車内で化粧する脳」というのがまったく同じ設定で、こちらは扶桑社から出ていて、実はこれが一番お勧めです。
- 2002/6/26 「警視庁捜査一課特殊班」 毛利文彦 角川書店
- 誘拐、立て籠もり、乗っ取りを専門に扱う特殊班が、他のたとえば殺人課などと決定的に違っているのは何か?それは、既に起こってしまった事件の犯人を捕らえるのではなく、
現在進行形で起こりつつある事件を対象としているというところにある。つまり、犯人逮捕と同時に、事件そのものの進行を喰い止めねばならないわけで、そこに息詰まるような駆け引きや、悔恨のドラマが発生してくるのである。
しかし、乃南アサ「凍える牙」で有名な特殊チーム「トカゲ」が、「えりまきとかげ」からきているなんて笑ってしまった。ちなみに我が家では、日本の永久未完のエース西澤を「えりまきとかげ」と呼んでいる。
日本がトルコに負けたのは、全日本のユニフォームに襟が無かったせいだという噂がある?
- 2002/6/17 「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」 米原万里 角川書店
- プラハに派遣された各国共産党幹部の子女が集まる学校での生活。小学校から中学校へという多感な時代に遭遇したエピソードの数々。
そして30年後の今、当時親友であった3人の少女のその後の消息をたどり、ついに再会を果たす時、あの時のあの姿の裏に秘められた本当の意味を、当時の時代背景と激変した現在の国際環境の中で、知ることになる。
ちょうど今、高校卒業30周年の同窓会の幹事をやっている関係で、いろんな友からの近況報告を受けるごとに、ここまで劇的ではないにしろ、今の姿と過去の姿が、30年間の空白の中で、重なり合ったり、どうしても結び付かなかったり。
憧れだった人から今頃ようやく初めての便りをもらい、未だにドギマギしてしまう自分に驚いてみたり・・・これも幹事の役得ですか?
- 2002/6/15 「ビューティフル・マインド」 Sナサー 新潮社
- もちろんご存知、話題のあの映画のこれは原作です。映画でいくらか説明不足で、端折られたような気がした部分に不満を感じて読んでみたわけですが、なんと驚いたことに、映画とはまるで別物。
ここからあの映画を生み出した脚本家の想像力は、まさにジョン・ナッシュ並みというべきです。映画の方は、精神分裂の世界を映像的に表現したというべきなのでしょう。もちろん、映画も原作もそれぞれに、十二分に楽しめる内容です。
- 2002/6/9 「流血の魔術最強の演技」 ミスター高橋 講談社
- プロレスがショーだなんてことはもちろん知ってはいたけれど、いつも放送時間内ぎりぎりに決着がついたのではおかしいので、無制限一本勝負で、たまにわざと時間切れの試合をしたなんてのは気がつかなかったし、
本気で勝負するとあの「アリ対猪木」の迷?勝負みたいになってしまうというのも、「こらぁ!ちんたら八百長やってんじゃねぇ!本気出せよ、このやろぉ!」なんて、的外れの声援を送っていたりしたわけなので・・・
そういえば、前に、千代の富士が買収に応じなかった寺尾(違っていたらゴメンナサイ)に腹を立て、土俵中央で吊り上げて土俵にたたきつけ、本気を出したときの実力差を見せ付けたなんてのも、思い出したりして・・・
- 2002/6/4 「痛快!コミュニケーション英語学」 Mピーターセン 集英社インターナショナル
- 無理やりの"make"、望み通りの"let"、当然の"have"、何とかしての"get to"。なるほど、同じ「〜させる」でもそういう違いがあるのか。
という乗りで、前置詞、時制、仮定法、冠詞、関係代名詞など、日本人の英語の弱点といわれる分野にわたって、ネイティブでなければ感じることの出来ないニュアンスの違いに絞って解説した好著です。
- 2002/6/2 「古川」 吉永達彦 角川書店
- 引っかかるところがないので、すいすい読み進むわけですが、よく考えてみるととても不気味なことに気が付くわけで、怖いというよりは気持ちの悪いホラーです。
よほどお暇で、体調のよいときに、体を楽にしてお読みください。
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