シックハウス

• 2001/3/3 「シックハウス症候群を知っていますか？」
  • 子供が危ない！
    　 「独りで閉じこもって、ゴロゴロしたり、寝てばかりいる」 「ささいなことに過剰に反応し、ヒステリックで攻撃的になる」 「死の世界や、宗教に異常な興味を持ち、性格が暗くなる」 神戸の小学生殺人事件の印象が薄れてしまうほど、過激な少年犯罪が続発しています。 その背景に、化学物質による住宅環境の汚染があると言ったら、あなたは信じますか。 実は、冒頭に挙げたのは、少年犯罪者の事情聴取の調書などではなく、「化学物質過敏症」の症状のほんの一部なのです。
  • シックハウス症候群を知っていますか？
    　 シックハウス症候群という言葉はご存知でしたか。 シックハウスは直訳すると「病気の家」ということになりますが、もちろん家が病気ということではなく、病気の原因になる家という意味です。 たとえば、新しい家具の扉を開けると、ツーンとくる臭いがしたり、目がシバシバした経験があると思います。 現代の住宅の中には、壁紙やフローリング、そして畳、木材にも、接着剤、可塑剤、防腐剤等の様々な化学物質が使われており、気密性の高い住宅を汚染するようになっています。 それはとても微細な量ですが、一方でなぜか原因ははっきりしないがどうも調子が悪い、頭が重い、目がチカチカする、鼻炎、アトピーなどのアレルギーがひどくなった、 どうも新しい住宅に引っ越したことに原因がありそうだという人が増えており、これらを総称して、シックハウス症候群と呼んでいるわけです。 地球環境の悪化や、不規則な食生活による体質の変化にも、その一因があることはもちろんですが、ようやく手に入れたマイホームが、自分や家族の健康を蝕んだり、家庭崩壊の引き金になるなんて、思ってもみないことだけに、実際に体験した方のショックは大きいのです。
  • 「健康住宅」って何ですか？
    　 こうした問題への消費者の関心の高まりを受けて、最近「健康」を売り物にした住宅業者の広告が目立つようになってきました。 でも「健康住宅」って何ですか？ 人が健康に住まうための家をつくるというのは、何よりも優先されるべきことではないのでしょうか。 その「あたりまえ」のことを、わざわざ「健康住宅」と銘うって、売り物にしてしまうほど、住宅業界という世界は病んでいるのだといわなければなりません。 そもそも、日本の住まいは通気性を旨として、先人の知恵や匠の技を結集して建てられてきました。 しかし、高度経済成長の荒波の中で、省エネを売り物とした「高断熱・高気密」の理想論が、経済性を追求する大量生産消費の現実に飲み込まれる形で生み出されてきた新しい日本の住まいは、ダニやカビそして新建材から発生するごく微量の有害物質による汚染という問題を抱えるようになってしまった。 「人が住む」ということなどそっちのけで合理性と経済性を追求した結果が、売れて儲かりさえすればなんでもありという、「住い」ではなく「商品」という姿勢が、今の状況につながっているのではないでしょうか。
  • 体と心を蝕む「家」にじわじわ殺される前に
    　 「健康住宅」といっても、もちろん健康になるわけではなく、病気にならないための住宅というにすぎません。 しかし、現在の住宅の中から全ての危険物質を完全に排除することはとても難しいので、「健康」という耳ざわりのよいオブラートにくるんで、逆に売り物にしているというのが実態です。 有害な壁のクロスを珪藻土の塗り壁にした、というだけで「健康住宅」のできあがりという例も多いのです。 完全に排除できないのなら、住宅のどこにどんな材料が使われていて、有害物質をどの程度含んでいるのか。 そして人体にどんな影響を及ぼすのか。 私たちはそれを正確に知りたいし、業者やメーカーはそれを明示する義務があると思います。

    このコーナーでは、そうした問題について、情報を収集し、皆さんのご質問にお応えしながら、ノウハウ・ノウホワットの蓄積を進めていきたいと思っています。 「家」にじわじわ殺される前に、皆さんの活発なご意見をお待ちしております。

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