2000年度極私的BEST10 | 2001年3月3日発表 |
「銃・病原菌・鉄」 Jダイアモンド 草思社 |
圧倒的に優位なはずのインカ帝国が滅びたのは何故なのか?歴史書としては類例のない切り口。理系・文系という線引きの不毛さを納得させる好著。 |
「平然と車内で化粧する脳」 澤口俊之 扶桑社 |
いまどきの日本の若者が恥を知らないようなのは、モンゴロイドの生き残り戦略の袋小路だった!気鋭の脳科学者に、生徒のプロを自認する南伸坊が迫る。 |
「コンセント」 田口ランディ 幻冬舎 |
新作「アンテナ」と併せ読むと、一瞬インターネットの世界と男女の肉体的特徴から安易に発想されたかに見えて、奥は深い。アンテナをコンセントに突っ込むと何が見えてくるのか? |
「脳を鍛える」 立花隆 新潮社 |
受験戦争の過熱が「学力」の低下に直結していることを、もっと本気で憂えた方がいいと思わせる本。 |
「東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ」 遥洋子 筑摩書房 |
上野はケンカを教えているわけではないが、著者が勝手に学んだディベート勝利の10ヶ条は秀逸。 |
「朗読者」 Bシュリンク 新潮社 |
同じ「朗読」という行為が、物語の前半と後半でその意味と重みを変えて繰り返されるところが味噌。 |
「ループ」 鈴木光司 角川ホラー文庫 |
文庫化を待ってようやく読んだ。「らせん」の期待はずれを見事にリカバリー。まったく別の地平を切り開くことで、今ようやく「リング」の世界が閉じた。 |
「ボーンコレクター」 Jディーバー 文藝春秋 |
ちょっと強引な設定も、身動きできないという制約のせいで却って効果的。ライムがお茶目で可愛い。(映画とは全然違うイメージを描いてました) |
「ヒナギクのお茶の場合」 多和田葉子 新潮社 |
題名がお洒落。中味は泉鏡花文学賞だけあって、立ち上がるイメージだけの勝負? |
「ガン患者学」 柳原和子 晶文社 |
10月に母がガンで逝きました。読んでどうなるものでもないけれど、母が闘っているものの正体を知るために読んだ何冊かの一つ。力作です。合掌。 |